内宮への参道である「おはらい町」のちょうど真ん中に位置する赤福本店は
朝5時からやってます。この場所は「おかげ横丁」の入口でもあります。
正月辺りだと5時からでもごった返す店内は8時を過ぎてもこの通りです。
おはらい町の商店街は9時から開店のところがほとんどで早朝参拝の折はここを
利用するしかありません。ここで頂くほうじ茶は特別のものです。
それは地下水を利用して竈(かまど)で沸かしたお湯でいれるほうじ茶です。
出入り口横にある竈。積んであるのは「うばめがし」の薪(まき)でしょうか?
現役です。めったに見れなくなった日本の原風景がここにはまだあります。
煮えたぎったお湯
日中はお客さんが絶え間なく出這入りするので写真撮影はままなりませんが、
この時間帯は客より店員さんのほうが多いくらいなので遠慮なく撮れました。
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燃料としての薪:
一昨年の遷宮の時、地元TV局が確か大正時代に神宮の森が禿げ山になった
フィルム映像を公開してました。これは神宮参拝に来る客をもてなす為に燃料
の薪を取り過ぎてしまった結果生じたもので、危機感を抱いた神宮は計画植林を
するようになり今の豊かな森になったそうです。
竈は私が中学生くらいまではどこの家でも使っていました。都会はいざ知らず
半世紀前までは薪を燃料にしていました。中学生の時、地元の山で薪作りを手伝
ったことがあります。
半世紀前までは半農半漁の村でしたが過疎化が進み今は畑や田んぼは荒れ放題
で原野に戻りつつあります。山もそうで、子供の頃遊んだ寺裏の山の木が高く茂っ
てきてます。これは山の木を切って木炭や薪にしないからです。子供の頃の記憶
では灌木程度の木しか生えてなく山は格好の遊び場でした。生活が豊かになるに
つれて人間の手がはいらなくなった里山も無残です。 日本は雨量が多く植生の
再生能力は大です。化石燃料のほとんどを輸入にたよるより昔の薪生活に戻るの
も悪くはないかもしれませんね。
end.